🎓 監修:高田真弓(CFP・1級FP技能士)

SBI証券 vs 楽天証券|50代のNISA口座はどちらを選ぶ?

新NISA口座を開設する際、最初に直面する選択肢が「どの証券会社を選ぶか」です。日本には数多くの証券会社がありますが、ネット証券の中でも「SBI証券」と「楽天証券」は、手数料の低さと投資信託のラインナップの充実度で、際立った存在です。50代の初心者向けには、この2社のいずれかを選ぶことをお勧めします。

ただし、この2社は「どちらも同じくらい優れている」わけではなく、細かなポイントで違いがあります。投資信託の品揃え、ポイント制度、画面の使いやすさ、サポート体制など、様々な角度から比較する必要があります。本記事では、50代の視点に立って、両社を徹底比較し、「自分に合った証券会社選び」の判断基準を提供します。

重要なポイントとしては「どちらが正しい選択か」ではなく、「自分の投資スタイルと生活パターンに合った証券会社はどちらか」という問い方が大切です。特に「楽天サービスをよく使っている」「SBIグループのサービスを利用している」といった生活背景によって、最適な選択は変わってくるのです。

この記事の結論
  • SBI証券と楽天証券は、両社とも手数料が最安で投資信託が豊富
  • SBI証券:投資信託の品揃え(2600本以上)が豊富で、上級者向け機能も充実
  • 楽天証券:画面が分かりやすく、楽天ポイント制度が充実。初心者向けサポートが手厚い
  • 50代初心者なら「操作の分かりやすさ」を重視すれば、楽天証券がやや有利
  • ただし、投資信託の品揃えを重視するなら、SBI証券が優位
  • どちらを選んでも、手数料面でのデメリットはほぼ無い。「最後は生活との親和性」で判断してOK

SBI証券と楽天証券の基本情報比較

口座開設数と市場規模

SBI証券は日本の個人投資家向けネット証券では「最大級の規模」を誇り、口座開設数は700万を超えています。一方、楽天証券も600万を超える口座開設数を持ち、急速に成長している証券会社です。

どちらも「十分な規模と信頼性」を備えており、個人投資家が安心して口座を開設できる企業です。

手数料体系:新NISA口座の場合

重要なポイントとして、新NISA口座での株式や投資信託の購入時手数料は「両社とも完全無料」です。つまり「新NISAに関する限り、手数料面での差はない」ということです。

ただし、一般口座やつみたてNISA対象外の商品を購入する場合には、若干の手数料差がある場合があります。しかし、50代の初心者が新NISAで投資信託を積立するなら、この違いは関係ありません。

投資信託ラインナップ:取扱商品数の比較

SBI証券の特徴

SBI証券は、新NISAの対象となる投資信託を「2600本以上」扱っています。これは業界最大級の品揃えです。特に「低コストのインデックスファンド」や「eMAXIS Slim シリーズ」といった、投資初心者向けの優良商品が充実しています。

メリット:商品選択肢が豊富で、より詳細なリスク配分に対応できる商品が見つかりやすい。アクティブファンドの品揃えも充実。デメリット:商品が多すぎて「初心者は迷う可能性がある」。

楽天証券の特徴

楽天証券の新NISA対象投資信託は「1000本以上」です。SBI証券より少ないですが、初心者向けの必須商品は網羅されています。むしろ「厳選された良質な商品のみ」という見方もできます。

メリット:商品が絞られているため、初心者でも「選びやすい」。楽天オリジナルのファンド(例:楽天ポートフォリオシリーズ)も充実。デメリット:特定のニッチな投資信託を探したい場合、見つからないことがある。

具体的な商品ラインナップ比較:初心者向け必須商品

商品 SBI証券 楽天証券
eMAXIS Slim 全世界株式 ○(取扱) ○(取扱)
eMAXIS Slim 先進国株式 ○(取扱) ○(取扱)
楽天ポートフォリオ70/30 ○(取扱) ○(取扱)
つみたてNISA対象商品数 約300本 約200本
新NISA成長投資枠対象 2600本以上 1000本以上

初心者向けの必須商品(全世界株式、先進国株式、バランス型など)は、両社ともほぼ同じラインナップを揃えています。つまり「初心者が何を選ぶかで困ることはない」という状況です。

よしこさん
よしこさん(52歳・パート)
投資信託が2600本と1000本では、かなり違うように思えるんですが…初心者は、やっぱりSBI証券の方が良いんですか?
マユミ
マユミ(CFP・元銀行員)
良い質問ですね。実は「初心者にとっては、商品が少ない方が選びやすい」というメリットがあるのです。よしこさんのような初心者の場合、本当に必要なのは「全世界株式インデックスファンド」と「バランス型ファンド」と「債券型ファンド」程度です。1000本のうち、99%は「初心者には不要な商品」なのです。むしろ、楽天証券の「厳選された1000本」の方が、選択に迷いにくいという利点があります。SBI証券の2600本というのは『上級者が、より詳細にリスク配分を調整したい場合に有利』という意味で、初心者向けではないということです。

ポイント制度:長期保有での利益差

楽天証券:楽天ポイント制度の充実

楽天証券の大きな特徴は「楽天ポイント制度」です。以下のような場面でポイントが付与されます。

クレジットカード積立時のポイント還元:楽天カードで積立投資をすると、積立額の1%がポイントバックされます。月3万円の積立なら月300円分のポイント。年間3600円のポイントが得られるわけです。

投資信託保有時のポイント:一部の投資信託を保有しているだけで「ポイント還元」される仕組みがあります。月々の保有で0.02%~0.05%程度のポイントが付与される商品も存在します。

ポイント投資:獲得したポイントで投資信託を購入することができ、その場合も投資と同様の運用益が期待できます。つまり「ポイントの再投資」が可能なのです。

SBI証券:Tポイント制度とポイント投資

SBI証券は「Tポイント」(Yahoo!ポイント)との連携があります。

取引によるポイント獲得:SBI証券での取引(株式買付、投資信託購入など)により、Tポイントが付与されます。ただし、ポイント還元率は楽天証券より低めです。

ポイント投資:Tポイントでの投資信託購入が可能です。

他のSBIグループサービスとの連携:SBI銀行、SBIプリペイドカードなど、SBIグループのサービスを利用すると、ポイント獲得機会が増えます。

ポイント制度の実質利益比較

月3万円を積立投資する場合で、1年間のポイント獲得額を比較すると:

楽天証券(楽天カード積立):月300円 × 12ヶ月 = 年3600円分のポイント

SBI証券(Tポイント):SBI銀行や他サービスとの連携がなければ、ポイント獲得がほぼ無いか、あっても年数百円程度

この比較から見ると、「純粋なポイント獲得」では楽天証券が圧倒的に有利です。ただし「SBIグループサービスをフルで利用している」という場合には、SBI証券の方が有利になる可能性もあります。

画面・操作性:50代初心者向けの使いやすさ

楽天証券:分かりやすいインターフェース

楽天証券の画面は「初心者向けに設計されている」という特徴があります。以下のような工夫があります。

ホーム画面がシンプル:必要な機能が「メニュー」として分かりやすく配置されており、「投資信託を買う」という目的に直結する操作が簡単です。

初心者向けガイドが充実:「はじめての投資」「積立投資の始め方」といった初心者向けのコンテンツが豊富で、操作に困った時に参考になります。

スマートフォンアプリが充実:スマホでの操作が「パソコンと同等のクオリティ」で実現でき、いつでも簡単に確認・取引できます。

SBI証券:機能が豊富(上級者向け)

SBI証券は「機能の豊富さ」が特徴です。以下のような特徴があります。

上級者向けツールが充実:高度な分析機能や、複数ファンドの比較機能が豊富です。「複数のファンドを細かく比較して選びたい」という人には向いています。

ホーム画面のカスタマイズ可能:表示内容を自分好みにカスタマイズできる柔軟性がありますが、その分「初心者にはやや複雑」という面もあります。

一般口座や信用取引など、様々な口座タイプ:新NISA以外の投資を本格的にしたい方向けには、多様な口座が用意されています。

実際の使用感:50代初心者向けの評価

50代で投資を初めて始める方にとって「操作性」は非常に重要です。ここでは、実際に両社を使った50代ユーザーの声をまとめます。

楽天証券を選んだ方の声:「画面が分かりやすく、迷わずに投資信託を購入できた」「スマホアプリで簡単に確認できるので、毎日チェックできる」「ポイントが貯まるのがモチベーションになった」

SBI証券を選んだ方の声:「商品が豊富で、自分に合った商品を見つけやすかった」「より詳細に比較できる機能が役に立った」「一度慣れると、かなり使いやすくなった」

この声から見える通り、「最初の学習コスト」では楽天証券が有利で、「使い込んだ後の自由度」はSBI証券が有利という傾向があります。

健一さん
健一さん(54歳・会社員)
私は楽天ポイントをあまり使っていなくて、Tポイントを日常的に使っているんですが…こういう場合は、SBI証券の方が良いんですか?
マユミ
マユミ(CFP・元銀行員)
実際には、Tポイント(Yahoo!ポイント)だけでの投資取引では、ポイント獲得がほぼ無いことが多いため、健一さんの場合でも「ポイント目当て」ではSBI証券の優位性は低いかもしれません。むしろ、以下の点を検討してください。まず『投資信託の品揃え』:複数の低コスト投資信託から細かく選びたいなら、SBI証券。次に『操作性』:分かりやすさを重視するなら、楽天証券。最後に『将来の拡張性』:将来的に株式や複数の口座を使う予定があるなら、SBI証券の方が機能が豊富です。健一さんの場合、「今後も NISA メインで投資信託のみ」という予定なら、操作性の楽天証券でも十分。「将来的に株式や複数取引の可能性がある」なら、SBI証券を選んで、最初に操作を覚える労力を払う方が、長期的には得かもしれません。

サポート体制:50代が困った時の対応

楽天証券のサポート

電話サポート:平日9時~18時に専任スタッフが対応。初心者向けの丁寧な説明が特徴です。

オンラインチャット:平日9時~17時に対応。「急な疑問を今すぐ聞きたい」という場合に便利です。

オンライン講座:定期的に「投資初心者向けセミナー」をオンライン開催。無料で参加でき、実際に画面を見ながら学べます。

SBI証券のサポート

電話サポート:平日8時~18時(一部土日対応)。より長い時間対応している点が特徴。

オンラインチャット:平日9時~18時に対応。複雑な質問にも対応できるスタッフが揃っています。

メールサポート:24時間受付。複雑な質問や、記録が必要な相談に向いています。

店舗(支店):全国に数十の支店があり、対面相談も可能。ただし、新NISA開設のみの相談では対応しない場合があります。

実際の対応評価

50代の初心者からの評価では「楽天証券の方が初心者向けの説明が丁寧」という声が多い傾向があります。一方「複雑な質問には SBI証券の方が詳しく対応できる」という評価もあります。

投資初心者の50代にとって重要なのは「初期段階での親切な説明」です。この観点では、楽天証券がやや有利と言えます。

クレジットカード積立:ポイント獲得の大きな差

楽天証券:楽天カード積立

楽天証券では「楽天カード」でのクレジットカード積立で、積立額の1%がポイントバックされます。これは非常に大きなメリットです。

例えば、毎月5万円を積立すれば、月500円のポイント獲得。年間6000円のポイントが「投資成果とは別」に得られるのです。30年間の投資期間でも18万円分のポイント獲得が期待でき、これは実際の投資リターンに匹敵する大きさです。

SBI証券:クレジットカード積立の状況

SBI証券では、特定のクレジットカード(例:住信SBIネット銀行のデビットカード)での積立でもポイント付与がありますが、還元率は0.5%程度と、楽天カードの半分です。

また、全ての証券会社のクレジットカード積立でポイント付与されるわけではなく「SBIグループのサービスを組み合わせた場合のみ」という条件がある場合があります。

実質リターンの比較

月5万円を20年間積立投資する場合の、ポイント獲得差は以下の通りです。

楽天証券(楽天カード積立):月500円 × 12ヶ月 × 20年 = 12万円分のポイント

SBI証券(0.5%還元の場合):月250円 × 12ヶ月 × 20年 = 6万円分のポイント

この差は「6万円」です。同じ投資信託で同じリターンを得たとしても、楽天証券を選んだ方が「6万円多く」利益が出るという計算になります。

総合的な判断:50代向けの選択フロー

楽天証券をお勧めする方

  • 初心者で「操作の分かりやすさ」を最優先したい
  • 楽天カードを持っているか、これから持つ予定がある
  • ポイント獲得をモチベーションにしたい
  • 初心者向けのサポート(セミナーなど)を活用したい
  • 投資信託のメインは「全世界株式」「バランス型」など定番商品のみ

SBI証券をお勧めする方

  • 複数の低コスト投資信託から細かく選びたい
  • 将来的に個別株式やその他の投資も視野に入れている
  • 高度な分析機能を使いこなしたい
  • 既にSBIグループ(SBI銀行など)を利用している
  • 多少複雑な操作でも、最初の学習で習得可能という自信がある
よしこさん
よしこさん(52歳・パート)
結局、私のようなパート初心者は、どちらを選べばいいんでしょう?楽天証券の方が良い?SBI証券の方が良い?
マユミ
マユミ(CFP・元銀行員)
よしこさんのような初心者かつパートという立場でしたら、楽天証券をお勧めします。理由は3つです。まず『操作の分かりやすさ』:月1万円程度の少額投資から始めるなら、複雑な機能は不要で、シンプルな操作画面が有利です。次に『楽天カード積立のポイント』:月1万円でも月100円分のポイントが得られ、年1200円。20年で2万4000円という地味でも確実なメリットがあります。最後に『初心者向けサポート』:よしこさんのような「投資が初めて」という方にとって、丁寧なサポートと初心者向けセミナーが活用できる点です。一度慣れた後に『もっと複雑な取引がしたい』という時点で、SBI証券への乗り換えを検討することも可能ですから、最初は楽天証券でスタートするのが現実的です。

⚠ 生活防衛資金の確認

投資を始める前に、生活費6ヶ月分の貯蓄(生活防衛資金)が確保されているか確認してください。生活防衛資金が不足している場合は、まず貯蓄を優先することをお勧めします。

次のステップ

この記事を読んだあなたへ、3つのアクション提案:

  1. つみたて投資枠の銘柄を選ぶつみたて投資枠の銘柄選びで銘柄を決定)
  2. 投資に回せる金額を家計簿で把握する家計簿見直しチェックリスト
  3. 50代の失敗パターンを先に知っておく50代の失敗パターン

口座開設後の実践ステップ

  1. NISA口座の開設:証券会社を選んだ後、公式ホームページから「新NISA口座開設」を申し込みます。本人確認書類が必要です。
  2. 初期設定:つみたて投資枠 vs 成長投資枠の選択:新NISAでは両枠を同時に利用できますが、初心者はまずつみたて投資枠から開始することをお勧めします。
  3. 投資信託の選択:本記事の『50代の投資信託の選び方』を参照し、「全世界株式インデックスファンド」または「バランス型ファンド」から1~2本選択します。
  4. 自動積立設定:毎月の積立額(例:月1万円~3万円)を決定し、自動積立を設定します。
  5. 定期的な確認:年1回程度の頻度で「ポートフォリオの状況」を確認し、必要に応じてリバランスします。
投資に関するリスク警告

本記事で取り扱う金融商品は元本保証のない商品です。投資判断はご自身の責任で行ってください。当サイトの情報は一般的な知識提供を目的としたもので、個別の投資判断を示すものではありません。

まとめ
  • SBI証券と楽天証券は、新NISA口座の手数料がどちらも無料で、実質的な差がない
  • SBI証券は投資信託の品揃え(2600本以上)が豊富で、上級者向け機能が充実
  • 楽天証券は操作が分かりやすく、楽天カード積立で1%のポイント還元が得られるメリット
  • 50代初心者なら『操作の分かりやすさ』と『ポイント獲得』の観点で、楽天証券がやや有利
  • ただし、複数の低コスト投資信託から細かく選びたい場合はSBI証券が向いている
  • 「今後の投資拡張」や「SBIグループ利用」を考えると、SBI証券も有力な選択肢
  • どちらを選んでも、最初の「判断」より「継続」の方がはるかに重要

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参考資料

  • SBI証券『公式ホームページ』(https://www.sbisec.co.jp/)
  • 楽天証券『公式ホームページ』(https://www.rakuten-sec.co.jp/)
  • 金融庁『証券会社選びのポイント』
  • 消費者庁『オンライン取引の安全性について』